地域活性ブログ

一九七〇年代に持家建設の拡張の流れ、公営住宅の残余性

2011.12.30

一九五九年改正は、収入超過者の「明け渡し努力義務」を導入し、収入が一定水準を超えた世帯は公営住宅に住むべきではないという考え方を明示した。これに合わせて、地方政府は収入超過者からの割増賃料の徴収が可能とされた。割増賃料は家賃制度の改変を意味するようにみえる。なぜなら、原価主義の制度から入居者の所得を家賃水準に関係づける発想は生じないからである。しかし、政府は家賃制度の基本に手を加える意思はもっていなかった。

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政府の企図は、割増賃料の導入によって入居者を「本来」の対象者と収入超過者に区分し、それぞれに関して異なる原理の家賃算定を行うことによって、公営住宅の利益がおよぶ範囲を限定する点にあった。同法の六九年改正は、施策対象の限定をより明確にするため、高額所得者に対する地方政府の「明け渡し請求」を可能とした。住宅政策は一九七〇年代に持家建設の拡張にいっそう傾斜し、公営住宅の残余性はいっそう強まった。公営住宅入居の要件である収入基準とそのカバー率は低下し続けた。カバー率とは、入居資格をもつ世帯数の総世帯数に対する割合を指す。この指標は法制定の時点では八〇%におよんでいた。しかし、カバー率は急速に引き下げられ、七〇年代には三三%まで低下した。公営住宅の建設戸数は六〇年代までは増加していたのに対し、七〇年代前半からはほぼ一貫して減少した。