「これまでは市場が右肩上がりで伸びていたので、経営がおろそかでも創造性やイメージ戦略だけで乗り切れた」とクッキアーニ氏。いわば商品企画、コスト管理といった本来の経営力が問われる時代に対応するための選択だったともいえる。フランスの婦人プレタポルテ最大手、ギラロッシュも日本企業の資本参加を求めて、アンコヴィアック社長が水面下で動き出している。このように、今後、日本企業に対する資本参加、経営支援の要請はますます増えることは間違いない。ただ、経営支援といっても各ブランドメーカーとも創造権まで手放すわけではない。パリ・オートクチュール組合のジャックームクリエ会長は「デザイナーと経営側が対立したシェレルのケースは失敗例」と語る。デザイナーが思い切った創造ができなくなったら元も子もない。創造性と経営のバランスをいかに打ち立てていくか。海外ブランドメーカー、日本企業ともに課せられた最大の課題だ。